TAIJI at THE BONNET

web magazine

第7回 佐藤タイジ×中村貴子

佐藤タイジが、自身のバンド=TAIJI at THE BONNETのメンバー他、様々なアーティストと対談を行っているこの連載コーナー。

 

7回目は、ラジオパーソナリティの中村貴子さんとの対談。

 

9.webmagazin.jpg

先ずは二人の出逢いあれ?貴子さん、メモお持ちになってきてますね!対談7回目ですがメモをお持ちになった方は貴子さんが初めてです。今までにないパターンのインタビューになりそうです。改めて二人の馴れ初めから。

中村「最初に仕事させて貰ったのは1995年、NHK FMの『ミュージックスクエア』」

タイジ「あのね、いきなりカットインなんやけど、ここで言うとこ。この間、ARABAKIROCKフェスに演奏しに行って、アラバキで身体バキバキになって」

中村「しょうもなっ!()

タイジ「まぁまぁまぁ。身体マジでバキバキになって、マッサージをお願いしたの。そしたらマッサージにきた人がシャベリのオモロイオネエチャンで。俺の顔を見るなり「あっ!シアターブルックや!!」って。で、話聞いたら昔、中村貴子のミュージックスクエアをずっと聴いてたんやって。でシアターブルックを知ったんです!って」

中村「ホンマ?わぁ、今日来てよかった!」

タイジ「これ作り話でもなんでもなくて。そういう人、結構多いんよ。俺、貴ちゃんの番組しょっちゅう遊びに行ってたやろ。で貴ちゃんのミュージックスクエアでシアターブルックを聴いて好きになったっていう人、ホンマたくさんおるんよ。ミュージックスクエア聴いてた人、ホンマ多いんよ」

中村「月曜から金曜までの帯番組やったから、シングルリリースでもアルバムリリースでもゲストに来て貰ってたしね。自分のお薦め曲コーナーもあったし、シアターブルックむちゃむちゃかけてたわー」

 

タイジさんが初めて番組に来た時の貴子さんの印象は?

中村「私の知り合いがインディーズ時代からシアターブルックが大好きで『非国民』

SENSEMILLA』『SHAKER MOVE』を持ってたので音は先に聴いてました。そのカッコいいバンドがエピックからデビューするよって聞いて。すぐ番組に呼びたかったし、来て貰えて嬉しかったです。あの番組の雰囲気、タイジさん覚えてる?」

タイジ「覚えてる、覚えてる!スタジオ、だだっ広くて。その隅っこで番組やってた」

中村「スペースが広すぎて音が響いてしまうからパテーション置いて、その中でポツ~ンと」

タイジ「そうそう。あれってオーケストラとかを録るスタジオやろ?なんか不思議な空間で、今でもよう覚えてます」

 

それにしても不思議なのは、そうした最初の出逢いをお互いがハッキリ覚えてるということです。だって、貴子さんは、今まで数えきれないほどのゲストを番組に迎えてるわけですよね。

中村「延べ3000組くらいインタビューさせていただいてます()

 

番組でトークが盛り上がってもその後、縁がなくなるアーティストもいるわけだし。タイジさんにしても今までいくつものラジオ番組にゲスト出演しているわけで。そんなお二人なのに、出逢いから20年経っても縁が切れていないという。

中村「タイジさんがゲストに来てくれた時にも言ってくれたんですけど、偶然ってなくて全て必然だと思うんです。人間の縁みたいなものは」

 

その縁を感じた瞬間って、具体的になにかあります?

中村「まずエピックからデビューしたこと。実は私、昔、バンドやっててエピックに在籍してたんですけど、自分が大好きなバンドが自分の大好きなエピックからデビューすることが嬉しくて。それから、『ミュージックスクエア』は95年スタート。タイジさんも95年デビュー。同じ時に歩み出すという縁、作ろうと思っても作れへん」

タイジ「え、ホンマ?ミュージックスクエアって95年スタートなんや。知らんかった」

中村「シアターブルックの全国デビューと私の全国デビュー、一緒やねん()。シアターブルックの曲の中で、うちの番組では何が一番人気あると思う?」

タイジ「え~なんやろ?」

中村「アンケートを取ると9割の人が同じ曲を挙げる!」

タイジ「えっ、気になる。ほな当てにいくで。『ドレッドライダー』やろ?」

中村「そう!ミュージックスクエアは、オープニングとエンディングテーマが2ヶ月間流れてた。96年の6月から7月までのエンディングが『ドレッドライダー』。2ヶ月間毎日〝今夜もシアターブルックの『ドレッドライダー』が流れてきました。そろそろお別れの時間です″って話してたからMCとセットでみんなが覚えてくれてて」

タイジ「だからや!『ドレッドライダー』ライヴでやると、ウリャーってスゴイことになるねん」

中村「今、自分主催でライヴイベント『貴子ちゃんナイト』をやってるんだけど、その1回目はリスナー主催で中村貴子が今までラジオでOAした曲縛りDJイベント。リリース当時はミリオン連発の時代やったのに、リスナーDJが選んだのはシアターブルックの『ドレッドライダー』。会場だった岡山のライヴハウスが大盛りあがり!」

 

〝時間″というのはブツ切りではなく、途切れることなく流れてるんだなって、この話を聞いてると思いますね。ヒットチャートだけを見ていると、時間はブツ切りのような気もするんですが、ロックってポップスより時間軸にしっかりと寄り添っているんだなぁって。

タイジ「ホンマや。ロックってそういう部分あるよ」

中村「しかもそういう曲を、例えば、フジロックとかで聴いたら素敵やと思う。その人達がその当時聴いてたものっていうか、背負ってたものを、また別の場所で聴いたりなんかしたら、きっとたまらんものあると思うねん」

タイジ「でもそういう〝時間″みたいなものってラジオが繋げてるんだよね。ラジオって絶対大事やと思う。この間ラジオで、ビーチボーイズの特集やってて新曲聴いたら、すっごくいい曲で。タイトルが『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ』。神はラジオを与えてくれたって。そんで、やっぱ音楽真剣にやってる連中って、ラジオなんですよ。うまく言えへんけど、クリエイティビティのエサなんよ。ラジオで流れる曲って自分で買うCDとやっぱちゃうし。ラジオ聴いてると、なにこの曲!?ええな、っていうのが毎日必ずある。ラジオにはそれが必ずある」

中村「テレビと違って映像がない分、音楽を集中して聴くしね。見た目がどうとかじゃなくてが好きかどうかっていうところで聴いてくれる。さっき、時間を繋いでるって言ってたけど、細胞の中に入ってくるんやと思う。不思議なことに伝える側のDJも同じ。だから私、悪口は言わないようにしてる。好きじゃないものを好きじゃないとも言わへんし。今回の作品、もうひとつやなぁとも言わない。言ってしまったら、それも細胞に入るから」

タイジ「でも、言うたほうがいい作品もあるで」

中村「それやったら、その曲をかけなかったらいいだけの話で。かけるんやったら、好きなところを伝えたいんよ。このバンドが大好き!とか。例えばシアターブルックをかける前に話したら、そこに魂が入るんじゃないかと思ってて。妄想かもしれへんけど()

タイジ「それ、物凄くわかる。要は賛成のプッシュやね」

中村「そうそう。タイジさんがやろうとしている『THE SOLAR BUDOKAN』と一緒やね。プラスの方向をプッシュ。私はこの曲が好きです!好きな人この指とまれ!っていう、そういう流し方がしたいんよね」

タイジ「そうなんよ。そうじゃないとエネルギー問題でも番組でも、やり続けること出来へんもん。なにかに反対して、お前も反対せいやって言ってもやっぱキツイねん」

中村「今、いろんなことの反対運動があるけど、それはそれでいいことやと思う。でもそれも、反対してる人に賛同してるんかもね。たとえば運動のリーダーとか参加した近所の主婦から聞いた話に賛成してるから持続して抗議が出来る。反対にも賛同する力があるんやないかなぁ」

タイジ「でもそれって人間の持つ、大きな力やと思うねん。しかし首相官邸に20万人が集まる時代が来るとは思ってへんかった。あれ、変な話、オモロイらしいで。俺まだ行ってへんけど」

中村「オモロイでもいいと思うねん。結果的にベターな方向に向くんやったら」

タイジ「オモロそうやったからデモに来ました、それでええと思う。大事なのはそれがプラスな方向に行くかどうかっていうこと」

 

とは言えです震災後、既に決まった事実だけを言えば、原発は再稼働し、消費税が上がることが決定した。これ海外からみたら意味不明だと思うんです。放射能の被害を受け、震災で経済的打撃を受けた国が、震災後下した決断が原発再稼働と消費税増税。意味不明です。

タイジ「まったくもって意味不明や。あまり極論を言うのは好きやないんやけど、原発問題にしても所謂治安を取り締まる側の自衛隊や警察の人達も個々に原発をどう思っているのか、訊いてみたい。一体、誰がこの国の治安を乱しているのか。なんでも国家・体制側を守るんじゃなくて、そういう視点で眺めて欲しいな、って思うよね」

中村「仕事と個人の考えは別やから、インタビューやアンケートを取っていかな、ってことでしょ?」

タイジ「そこ、きちんとアンケートしていったら約13千万のうち、129999999人が原発反対っていうかもしれない。実際、そうなのかもしれへんよ。肩書きとかそういうの取っ払って、一人の人間としてだけ考えたら、み~んな再稼働反対かもしれへんよ。で、結局お金のことなんよ。でもそんなのアカンて。そやから、夏過ぎたらもう止める。電力のピーク、過ぎるやろ。そしたら例えば101日に止める。その代わり、ソーラーであるとか風力であるとかを今の送電網にバンバン入れていく」

中村「お金の問題だとしたら、自然エネルギーを作る人も使う人も経済的に回っていかないことには続かへん。ちゃんとビジネスとして成立しないと変えることは出来ひんのとちゃうかな」

タイジ「今の社会を継続していこうと思うならば、もう自然エネルギーしかないのよ。でも旧体制の金の亡者がおって、それを無理やり引きとめてる」

中村「逆に言えば、その亡者達が自然エネルギーの方が儲かる!ってならないと変わっていかへん。さっきの賛同の考えと同じで。その太陽エネルギーのリーダーに佐藤タイジがいるわけやね」

タイジ「自分的には『ソーラー番長』って言ってるんだけど。でもあんまりケンカ強くないんやけど。っていうか、なんかもっといい言い方、貴ちゃん考えて!」

中村「1220日の『THE SOLAR BUDOKAN』までに考えないとね()

タイジ「ひとつお願いします。でもな、日産にしてもトヨタにしても、どこもソーラー自動車にこれから行くわけやん。ってことは皆、わかっとるのよ。これからはソーラーだってわかっとるの。ただ目先の不良債権として、あんだけのお金かけて作っちゃった原発を動かせざるを得ない。そんだけの理由で動かしとるのよ」

 

そのへんの話になると、政治に対して色々言いたいことがあるんじゃないですか?

タイジ「あるある。っていうか、そもそも、今ある民主党も自民党も震災前の政党やろ。そんなんもう一回なしにした方がええねん。今の政党一個も政党として機能してへんやろ。あんだけのことがあったら、震災前の枠組みでああだこうだやってても仕方がない。一回マッサラにして原発をどうするのか、日本の未来をどうするのか、その観点でもう一回政党を組み直した方がええねん。あと野田総理、ええ加減にせえ。自分が全部責任を取りますって言うけど、そもそも、お前なんか誰も選んでおらへんし。その前にお前誰やっちゅうねん。そんなヤツに責任なんか全然取って欲しくない!」

中村「責任、っていうことでいえば、まずは、311で起きたことの責任を取ってって言いたいわー。これから起きることじゃなくて、すでに起きたことへの補償を今すぐやって!って思う。珍しいなぁ、ラジオでは私、こういうこと話さへんから()

タイジ「貴重なインタビューや」

 

でもこれからのことで言えば、『THE SOLAR BUDOKAN』が時代の分岐点になるような気がしているんです。つまり音楽が時代を先導するわけです。今までは、音楽は時代のインフラが変わった後にくっついてきたイメージだった。世の中のインフラが変わって、そこに合わせるように音楽のスタイルが変わっていった。でも『THE SOLAR BUDOKAN』は音楽が時代の変革のイニシアティブを取る。音楽の後に色んな産業がついてくる。それって凄いなって。それを期待したいなって思うんです。

中村「今まで日本のロックがもうひとつ根付かなかったのって、海外から入って来たっていうのもあるけど、生活に密着してなかった、というのがあるんじゃないかなと。音楽にはやっぱり精神があって、ブルースの精神、パンクの精神、ロックの精神。日本は高度成長期以降、そういう精神を抱える部分がなくて。だから今、音楽私の身近で言えばロックにリアリティがある。TAIJI at THE BONNET、リアリティあるもん」

タイジ「俺、今、充実してるもん。身体疲れててシンドイけど、充実してる。俺、ロックに目覚め、ロックをやりだして自分がだんだんギターが弾けるってわかってきたら、なんで俺日本に生まれたんやろってずーっと思ってきた。20代の前半とかずーっと思ってた。ロスとかニューヨークで生まれてたら、俺、状況絶対違うって思ってた。それって要はコンプレックスなんやけど。そのコンプレックスと付き合ってきたんやけど。ここにきて俺、日本に生まれてきたっていうつじつまが合ったんよ。で、俺にとっての初めての武道館がソーラー武道館やから。武道館ってロックをやってる人には聖地やから。武道館は広さじゃなくて、ロックやってる人にとっては最高の場所。その武道館でソーラーエネルギーでライヴをやる。そのアイデアが浮かんだ時、これをやるために俺は日本にギターが上手な人間として成立したんやな、っていうつじつまがようやく合った。それで海外のロックに対するコンプレックスが今、なくなってきてるね」

中村「私は音楽を作る側じゃないけど、ロックと言えば洋楽の世代。私がラジオで喋り出した30年ぐらい前って圧倒的にFMは洋楽!って雰囲気やった。まだバンドブームも来てなかったし、BOOWYもデビューしてなかったし。だから洋楽に詳しい人がカッコよくて、それに対して、なにくそって思っててん。絶対に日本のロックがFMからガンガンかかるようにしてみせる!って。20代の若気の至り()。でもそれって明らかに洋楽に対するコンプレックス。最初からめっちゃ負けてんねん。負け犬が吠えてる感じ。だって自分の音楽のスタートは洋楽のコピーバンドで、そこに憧れたんやし。でもその弱っちい負け犬が必死で吠える方が長続きするんやなって今は思う。さっきのタイジさんと同じように、私はなんで、自分では思ってなかったバンドデビューして、思ってもいなかったパーソナリティになったんやろうとずっと考えてて。30年近くやってきた今、いろんなつじつまがあう。ミュージシャンとリスナーの間で音楽を伝える役なんやけど、その理由がわかった気がしてる」

 

それにしても、たくさんいるミュージシャンの中でなぜ貴子さんにとって佐藤タイジは特別なんでしょうね。タイジさんのどこが好きなのか?そこが改めて訊いてみたいなと。

中村「その前にタイジさんに質問してもいい?ラジオではいつもインタビュアーやからチャンスがなくて。この機会に中村貴子のことをどう思っているか聞きたい!」

タイジ「自分のことをゲストに呼んでくれるラジオパーソナリティの人って、同じシンパシーを持ってくれているイメージが先ずあるねん。で、貴ちゃんで言えば、友達。ゲストに呼ばれていると言うよりも、友達に会う感じ.

中村「でもプライベートで呑みに行ったり、電話したりするわけじゃないやん?」

タイジ「そやね。でもなんか親しい感じ、むっちゃするねん。貴ちゃん関西弁やし。パーソナリティが関西弁やと俺もまんま徳島弁やし」

中村「念のために言っとくけど、タイジさんだからだよ()。普段ラジオでは標準語やから。で、思い出した。インタビュー明けでゲストの感想を話してたんやけど、タイジさんの時は「太陽みたいな人ですね」って言ったのね。それを今でもたくさんのリスナーが覚えてて、貴ちゃんタイジさんのこと〝太陽みたい″って話してましたよねって。そんなタイジさんがソーラー武道館。全部、繋がってるから、すでにもう決まってたことなのかなぁ」

タイジ「日本人って311以降、そういうところに一段と繊細になっていると思う。まぁメディアの人が使うところの〝絆″っていうとこだね。でそこに筋が通っている人っていうのが311以降集まってきているような気がしている」

中村「311以降、まず話そう!ってなってるよね。話せるってことは意見を持ってるということやし。今は、自分の意見を出して、考え方は違ってもええから、相手の意見も確認するようになったなぁ。それでこの1年間で佐藤タイジとの距離が縮まり、仲間意識もある。まぁ、私は今でもスローガンを掲げたりするタイプじゃないけど。思いやりは想像力から始まるはず!とか、みんな妄想しようよ!と言い続けてる。やり方は違うけど、何に賛同して何に向かってるかっていう部分で信用して貰ってるのかなって」

タイジ「仲間とはなにか?仲間とは、友達とはちょっとちゃうねん。まだ友達と仲間の違いをきちんとは定義は出来ないんだけど、でも明らかに仲間が増えとる感は俺あるねん」

中村「40代を超えると、ひとつのことを15年以上続けてきたことだけでも、お互いリスペクトできるし、理解者と仲間が近いな、と思えてくる。そういうベースがあったところに311があって、相手の考えを、よりハッキリ知ることができるようになって、仲間というかなんか新しい言葉があればいいんやけど。私はミュージシャン・佐藤タイジに対しては、完全にいちファン。一生ファンで居続けたいと思う。人間・佐藤タイジに対しては許してもらえるなら、仲間そんな感じで応援できたらええなぁって」

タイジ「嬉しいなぁ。ありがとうございます」

中村「さっき、遮ぎってしまった、なぜ佐藤タイジが特別なのか?の質問の答えなんやけど。まずは音楽がカッコいい。あと歌が上手い」

タイジ「俺、歌上手いか?」

中村「上手い上手い。っていうか私、音楽わからへんから上手いことにしといて(笑)」

タイジ「歌に関しては、どうも自信がなくて。だから上手なったって言われれると嬉しくて。っていうか、ずっと歌ってるから下手なったって言われたらアカンけど(笑)」

中村「佐藤タイジの魅力と言えば、やっぱりギター。ロックはギターを弾いてる佇まいも大事やし。その佇まいのカッコよさ!」

タイジ「弾いてる姿に関してはベンジーにも負けないよ(笑)」

中村「()。それから、クレバーやのに感覚的な人間であるとこ。弱虫なのにヒーロー気質なとこ」

タイジ「もぉ~気持ちええぇ。もっと褒めてぇ。もう果てそうや」

中村「あとね、タイジさんに何かお願いごとされる時あるやん?こっちがええよって言ったらとろけそうな笑顔見せてくれる。たまらん笑顔。でも例えばスケジュールが合わなかったりしてNGを伝えた時は、寂しげな犬コロみたいな顔するねん()。だから応えたくなる。昔、太陽みたいな人やと思ったけど、ずーっと見てくると、実は、繊細なとこも、歪んでるとこも、暗いとこもある。でもそれも含め一回りして、やっぱ太陽っぽいと思ってるねん。最初に思った太陽のイメージだけやったら、ここまで仲良くなれなかったと思うし、逆に途中の繊細な部分だけでもダメやったと思うし。一周して戻った時に、第一印象が間違ってなかったんだなっていう」

タイジ「40過ぎるとそうかもしれんよね。TAIJI at THE BONNETも皆同世代だから中学の部室みたいやもん。結局、元いたところに戻っていっている感じがしてる」

中村「さっきの賛同の話に戻るんやけど、緒方拳さんが亡くなった時に、テレビで誰かが「緒方さんは人たらしでした」って褒め言葉で言ってた。あの笑顔を見たらなんでも許してしまうし、なんでもやってあげたくなるって。その言葉を聴いた時に浮かんだのが佐藤タイジの顔。タイジさんは〝人たらし″やねん」

タイジ「女ったらしやなくて?」

中村「そこはわからへんけど(笑)。でも間違いなく〝人ったらし″。我々裏方の人間は、人たらしやったらあかんねん。応援する側やから。でもミュージシャンやソーラー武道館で中心に立つ人は、人ったらしやないと周りが動かへん」

タイジ「それは今、物凄い実感してる。今俺、人懐っこさ全開やもん!」

中村「でもそれって、もともと持ってない人がやると嫌味になる。タイジさんやから成立してる。そういう意味でもソーラー武道館というアイデアは人ったらしにとって最高の舞台やね()

タイジ「そやね。今から打ち上げ、むっちゃ楽しみやし」

中村「ホント、タイジさんじゃなかったら出演者もスタッフも企業も集まらへんかったと思うもん。武道館をやったあとも大事やね。報道されて、そこから動いていくこともあるから、もっともっと人ったらしっぷりを上げていって貰わんと()

タイジ「銅像建つぐらいまで頑張らんとね」

中村「タスキとかかけちゃう?前には〝人ったらし″、後ろには〝ロック☆スター″って書いて()。「人気者」って言葉はあると思うけど、人ったらしって英語に訳せへんね。「たらし」ってマイナスな言葉やのに、その前に「人」が付くと悪口じゃなくなるっていう。この言葉が似合うのも海外じゃなくて、日本に佐藤タイジが生まれた理由やと思うから」

 

佐藤タイジへの期待、益々高まっていますが。タイジさんはメディアにどんなことを期待しますか?なにか貴子さんにリクエストがあれば是非。

タイジ「テレビにしもラジオにしても、今、既存である美しいものを残すっていう作業をして欲しいなって。それは音楽ではできないこと。特にラジオにはやっぱり期待してしまう。なにかを残すこと。これがメディアの役割やと思ってる」

中村「ラジオってすごく刹那で放送時間が来たら終わり。そこが好きなんやけど。私の場合、音楽番組しかやってへんから、そこで曲を流す。曲を聴くと最初の話に戻るけど、聴いてくれてる人の細胞に残る、と信じて目指して続けてく。細胞をひとつでも多く深く濃く残すお手伝いをさせて貰いたいし、そのためにはラジオ業界、頑張らなあかんね」

タイジ「頑張って欲しいわ。ラジオ、頑張って欲しいわ。テレビよりラジオの方が古いんやし。テレビなくなってもラジオなくならへんと思うから」

中村「それやったらお願いがある。さっきのビーチボーイズみたいに、日本語でラジオについて歌った最高の曲を書いて。イヤらしい話、こぞってラジオ局でかけて貰えるし(笑)」

タイジ「ホンマ?書く書く!」

中村「でも全国のラジオでかけて貰うんやったら、3分ぐらいの曲やないと。長い尺の曲はラジオではあんまりかからへんし」

タイジ「そしたらギターソロ、短くせぇへんとあかんね。それ、俺にとっては悩ましいなぁ。でも貴ちゃんのお願いやから書くで」

中村「完成したら私が全国のラジオ局に売り込むわー」

タイジ「頼むわ。でも俺も売り込みに行くで!なんて言うても俺、人ったらしのロックスターやから」