TAIJI at THE BONNET

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第5回 佐藤タイジ×クリス・ペプラー

祝☆TAIJI at THE BONNET 1st アルバム『ROCK STAR WARS』リリース!

この記念すべき、そして歴史的なアルバムのリリースにあたり、佐藤タイジが、バンドメンバー他、様々なアーティストと対談を行うことが決定。

バンドのこと、日本のロック界のこと、この国のことなどを対談形式で語り尽くす(予定)!

 

5回目の今日は、J-WAVE の人気番組TOKIO HOT 100などでお馴染みのクリス・ペプラーさん。佐藤タイジと熱いトークを繰り広げてくれました。

 

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先ずは定番の質問。お二人の出逢いから。

クリス「番組ですね。タイジは覚えてないと思うけど(笑)。それでステージも観に行った!ずいぶん前だよね。90年代半ばの初頭ぐらい

タイジ「ソウルセットと一緒にやってた頃やねぇ。J-WAVEのイベントにもソウルセットと一緒に出たし。クリスさん観てくれたの、そのステージちゃうかな?」

クリス「かもしれないね」

 

ずいぶん長いおつきあいですね。

クリス「でもスゴク仲良くなったのは数年前のサマソニからなんだ。サマソニに行ったらうちのかみさんが、『あれタイジさんに似てる!』って言いだして。でもその年のサマソニにタイジは出てなかったから『出てないからいないだろう』って言ったの。でもよく見たらタイジで、普通に客で来てた(笑)!」

タイジ「あれが俺の初めてのサマソニ!つまりサマソニデビューは普通にお客として観に行ったんよね」

クリス「それでコイツ本当に音楽好きなんだなぁって。普通行かないよ、自分が出てない夏フェス」

タイジ「(笑)。あんときは確かCSSが出てて、どうしても観たくてね」

クリス「今でも覚えてるなぁ、タイジの格好。短パンにニーハイのブーツ履いてた」

タイジ「ブーツやなくて、あれレッグウォーマー。レッグウォーマーに短パンやで」

クリス「大阪のおばちゃんでもあんな格好しないでしょ!異彩を放ってたよ(笑)。出演者より目立ってたし(笑)」

タイジ「まぁロック☆スターなんで。でもそのへんから仲良くなって、ちょいちょい呑みに行くようになった。というか、ちょいちょい呼び出されてます」

 

どんな呑みなんですか?

タイジ「セッションができるバーをクリスさんがやってて」

 

クリスさんそう言えば、ベースを弾かれるんですよね?

クリス「うん。そのバーは前はずっと客で行ってたんだけど、一昨年の暮れに潰れてしまって。それでお客6人で復活させたんです。タイジは僕が客だった頃からそこにはいたけどね。ま、すごいセッションが夜な夜な実現しています。例えばタイジがベースでCharとスティービー サラスがギターを弾いてたりとか。本当に夢のようなジャムセッションが繰り広げられています。ただ皆プロなんで、自分の楽器をやりたがらない。それにしても何故か、ギター弾きはドラムを叩きたがるよね」

 

クリスさんはそこでは当然ベースを?

クリス「そう、俺はベースしか弾けないんで」

タイジ「まぁ、でも、すごいセッションですよ。CD作ったらええんちゃうの?みたいな。名義はもちろんペプラーズ!」

クリス「それにしてもタイジは幾つバンドやってるの?」

タイジ「TAIJI at THE BONNET、シアターブルック、サンパウロは今レコーディング中」

クリス「色々頑張ってるよね」

タイジ「出来るものを出すっていう感じ。ずっと作り続けてきたから出せるものを兎に角出していく。そんな感じですよ」

クリス「俺、BONNETをすごく気に入っているんだ。とってもエンターテイニングで。今までのシアターは、タイジ・オンステージで二枚目なところがあった。 BONNET もタイジ・オンステージなんだけど、 BONNET の方が俺が知っているタイジに近い。シアターのタイジは自分大好き感が出てて、それは必要なんだけど、 TAIJI at THE BONNET の方は他のメンバーもキャラ立ちしているし、すごくバンドっていう感じがするんだよね。ロックンロールショーとして少しグラムな感じもして、面白いし。俺は今のところシアターより BONNET の方が好き!」

 

シアターのストイックな音作りに対して、 TAIJI at THE BONNET の方がメンバーも同世代でなんだかとっても等身大な感じがしますよね!

クリス「そうそう。フロントマンってどうしても風当たりが強いから、ものすごく考えてないといけないんだけど、 BONNET はもっと肩の力が抜けてる感じがする。同世代だから皆でやってる感じがするんだよね。自分が率先して風を切る必要もなくて。『たまにはアナタ代わってよ!』ってそんな風に風当たりも皆で分担してる感じもするし」

タイジ「そういうところはあるね」

クリス「それがノビノビしてる感じになって、普段のタイジっぽいんだよね」

タイジ「そうかもね。メンバーとはよく呑みに行くし。まぁ、本当に同じ感じというかテンションでステージもやれてるし」

クリス「ところで BONNET には関西人は何人いるの?」

タイジ「ウエノ君が広島で、阿部君が横浜。あとは奥野とようこちゃんと俺が関西」

クリス「それだよ!なんとなくWEST GROOVEな感じがする。曲もMCも間も含めて関西だもん。シアターは関西人何人いるの?」

タイジ「俺だけ!」

クリス「やっぱり。それだよ!」

タイジ「そこか!」

クリス「シアターはフロントが西でバックが東で、しかもそこに年齢差もあって。そういう力関係みたいなのも見えるところがある。それはそれで緊張感があっていいんだけど。,

BONNET はまた違うよね。シアターはやっぱり東(あずま)なバンド。わかり易く言えば都会的でソフィスティケイトされている。 BONNET

タイジ「地元というかローカルな感じ。なんかたこ焼き焼いてそうやもんね。しかもメッチャ味にこだわってるみたいな」

クリス「(笑)。タイジは、音楽的なルーツは70年代が好きなんだろうけど。、BONNET はもう少しブリティッシュな感じがする。モット・ザ・フープルとかスレイドとか、なんかそんな感じ。どこかグラムな感じもするし」

タイジ「ウエノ君とか、なにやらせてもパンクだから俺がファンキーなことをやりたいと思っても、どうしてもそっちに寄っちゃう。なんかオモロイんだよね、そういうの」

クリス「へぇそうなんだ」

タイジ「うん。スゲーオモロイ。音楽性だけじゃなくてトークも。キーボードの奥野とか傑作ですよ。いっつもオモロイこと言ってる。是非、一回皆で呑みに行きましょう!」

クリス「是非!」

 

それにしても、TAIJI at THE BONNETはこの自由な感じが40過ぎて出せてるっていうのがまた魅力的だなぁって思うんです。

クリス「そうだね。それと今、一番遊んでいるのって40代でしょ?20代はそんなに遊んでない。家呑みだったり、ネットで完結して籠ってる。今の20代の方が、デス・ラテン。つまり全然ラテンじゃない。逆に上の連中の方がアッパーだよね」

タイジ「ライブが終わっても打ち上げせーへんで、コンビニよって帰ります!みたいな20代のバンド多いって聞くからね」

クリス「いい意味でヤバイ連中って皆、ジジイだもん。年をとれば取るほどヤバクなってる(笑)。若ければ若いほどヤバさがない。ジジイが一番ヤバイです」

タイジ「ほんまやよね。60歳過ぎてる人の方がヤバイもん。チャボさんも遠藤ミチロウさんもヤバイもん。ミチロウさんと最近一緒にやったんだけど、すごかった。楽屋ではスゴク優しいんです。でもステージに行くと『共産党宣言』唄ってて。チャボさんとミチロウさんて、確か同じ歳で61歳だと思ったんだけど、ヤバイです、カッコイイです。昔の60歳とは全然違うよね!」

クリス「40歳超えてってことで言えば、ストーンズの初来日って、40歳を過ぎてたんだよね。そこがキーポイントだったような気がしてる。確か90年だったと思うんだけど『ストーンズ40歳過ぎてもまだやってるぜ!』って。そこから変わった気がする。ストーンズがあそこでロックし続けてたのはデカイよね」

タイジ「今もミックは色んなバンドをやりながら音楽をスゲエ楽しんでるでしょ?あの感じいいよね」

どこかタイジさんと似ていたり

クリス「口が?(笑)」

タイジ「(笑)」

クリス「まぁ、どっちかっていうとスティーブン・タイラーとジョー・ペリーを足して2で割った感じだよね、タイジは」

タイジ「それ、無茶苦茶嬉しい!!エアロ大好物なんで」

クリス「まぁ、タイジは価値観がしっかりしているんで、観ていて安心だよ。もちろん音楽をやっていく上で売れることは大事なんだけど、売れることより大事なことがあって、それをタイジはしっかりと考えてる。中にはそのプライオリティが逆になって、商業ベースだけが先行しちゃう人がいる。それってちょっとどうなのかな?って思う。まぁ、でもそういうのは見通されちゃうけどね。俺は、タイジみたいに志がちゃんとある人を常に応援したいな、って思ってる」

タイジ「あざっす!!」

クリス「とは言っても、売れてる人にケチをつけるつもりもないんだよ。皆スピリットを持ってやっているから。そういう需要があって売れているわけで。皆頑張ってる。俺がいつも言う言葉があるんだけど『曲は嫌いになるかもしれないけど、人は嫌いにならない』って」

タイジ「まさにそうだね」

クリス「そうなんだよ。皆頑張ってるからさぁ」

タイジ「そうそう、そんで会って話すと皆いいヤツだしね」

クリス「本当にそう。でもその音楽が好きか、っていったら無理には好きにならないけど」

 

物作りをしている人のピュアな部分で触れるとどこか安心しますよね。

タイジ「そうやねん。それと音楽ってことで言えば、3.11以降は音楽の役割がよりクリアになった気がするんだけど、クリスさんどう?」

クリス「3.11があって皆、頭の中の整理がつかなくなったわけでしょ?右脳も左脳もフル活動した。右脳では感情的なことを、左脳ではもっと媒介的なことを理解しようとした。それをフル活動して頭の中がグチャグチャになった。まだ状況も良くない中で、ずっとモヤがかかってる状態。そこの部分で音楽がモヤを突き抜ける感じだったよね。具体的な真実ではないんだけど、情報は交錯したりしてる中で、ハートの部分でしっかりと繋げてくれるっていうか。そこで共鳴させてくれた。なんか見えていなかったものを具現化させてくれるような力が音楽にはあるよね」

タイジ「だからここにきてやれることを全部やろうと思ってる」

クリス「それと音楽の送り手の気持ちも見えたと思う。気持ちが入っているか入っていないか。それでジャンルではなくてね。俺自身にも意外な音楽が心に響いたりした。震災の一週間後くらいだったんだけど、NHKのBSプレミアムかなにかで、谷村新司さんが『いい日旅立ち』を唄ってた。<あぁ日本のどこかで私を待ってる人がいる>って。涙がブワーって出てきた。番組で聴いた上原ひろみちゃんの『ふるさと』や『上を向いて歩こう』にもグッときた。最近だと長渕剛さんの『ひとつ』もグッときた。つまりジャンルじゃないんだよね」

 

まさにそう思います。では、もう少し BONNET の話を(笑)。ファーストアルバム『ROCK STAR WARS』はメッセージも痛烈で、その中で一番タイジさんの想いが詰っているのが『100% SOLAR BUDOKANの歌』ですよね

クリス「そうだね。『武道館おめでとう!』を言うのはまだ早いけど実現に向けて頑張っているって聞いています。でも最初にその話を聞いた時はスゲー心配になった。だって武道館でライブをやるのにはかなりお金もかかる。だから最初に聞いた時はタイジをどうやったらやめさせられるか、を考えたくらい。だってもし赤字になったら誰かがそれをかぶらなきゃいけない。でもタイジが今、色々頑張ってるって聞いて安心してるし、応援してます」

タイジ「現状で言えば、蓄電池を集めるのがかなりの難関。ここ23カ月が勝負になると思う。でも実現に向けてスゲー頑張ってるよ」

 

この100%ソーラー武道館のいいところは、賛成運動だということをタイジさんが以前言っていたのが印象的です。確かに反対運動はエネルギーを消耗するし、長続きしない。

クリス「賛成もそうだけど、オルタナティブなものを模索してるのがいいよね。やっぱりリアリティって大事じゃん。志も大事だけど、このリアリティがないと意味がないと思う。俺、〝何かしたい!″っていうのが嫌いなんです。何かしたい、は完全に自己マン。〝何か、誰かのためにしたい!″って言ってる自分が好きなだけ。そんなの意味ないよね。やっぱりリアリティというか具体的ななにかがあることが大事。タイジはそれをちゃんと出している。だからこそ、上手くやって欲しいと思う」

タイジ「今はほんまに蓄電池なんです。開発しているところに提供を要請したら、『一機2500万円で受注生産です』って言われた。そんなお金あるわけないし。しかもそういうのって広告を必要としていないんだよね。だから自動車メーカーとかにも声をかけなきゃと思ってる。そういうところは広告するし。そういうところにも電池を出して欲しいなぁって」

クリス「手伝えることがあったら何でもいいから声かけてよね」

タイジ「ありがとう。武道館実現したら、ペプラーズで出てね(笑)」

クリス「本当に大事なプロジェクトだと思うから、成功させて欲しいな。原発の問題もまだまだ予断を許さないし」

タイジ「そうなんだよね。そんな中、ちょっと思うこともある。エンターテインメントの中にまるで何事もなかったように目を眩ませるような、エンターテインメントがあるでしょ?俺はあれが嫌。ちゃんと現実と向き合って、それでも楽しくやりたい。ちゃんと向き合わせてくれるエンターテインメントが必要なんじゃないかと思う」

クリス「そうだね。でも3.11以降、情報バラエティの中にもちゃんと頑張っているものもある。ただ残念ながらタイジが言っているようなものもある。でも考えてみたら何もなかったようにするのは亡くなった方々に失礼だし、亡くなった方々への冒涜だと思う。3.11は起きてしまった。我々の日本列島の一部は、壊死してしまったわけです。それは事実。なのに壊死していないっていうのは無理がある。ちゃんとそのことを認識しないといけないと思う。そういうのはキツイことだと思うし。なにか膿を出すのはツライことだと思う。でも良薬は口に苦し。それをやらないと前には進めない。しかも先送りできない問題だしね」

 

震災から一年。復興支援も正直硬直している感もあります。そんな時にタイジさんの100%ソーラー武道館の賛成運動は、また日本を一つにしてくれる感じがします。

クリス「反対運動をやってても、取り上げてもらえないんだよね。笑うかもしれないけど、それってスゴク大事なこと。たくさんの人に知ってもらうのは大事。武道館に一万人集まって、プラス口コミなどで三万とか五万人はタイジのプロジェクトのことは知ってくれると思う。問題はその先。この肯定的な運動は、メディアが取り上げてくれると思う。ムーブメントは取り上げられないと始まらないんだよ」

タイジ「それはホンマにそうやと思う。それと今クリスさんが報道のこと言ってたやろ。震災があって報道のことも色々考えさせられたね」

クリス「まぁ、僕も電波にのってる人なんで、色々考えた。何が正義なのかな?とかね。例えば個人が過ちを犯す。そうするとメディアは大罪のように扱う。でも本当の大罪に対してはどうなんだ、って。そう思うと今までの報道はなんだったんだろう、って思えてくる」

タイジ「今回の原発のことで言えば、責任をとらにゃあかん人がうやむやにしようとしとる。それでいいのか?って思う」

クリス「本当にそうだよね。しかも原発の問題は本当にいまだに用心が必要だし。国も色々やってはくれるんだろうけど、今回のことで一つ学んだのが『自分の身は自分で守らなくてはいけない』ということ。だから余計まだまだ気は抜けない。でもそんな時代だけど、というか、そんな時でもどんな有事の時でも、人間は幸せを分かち合うことができる。有事だからこそ、生命の素晴らしさを余計に感じられる。それを一気に背負って立っているのがこのタイジ先生です」

タイジ「え、なんか物凄いことになっとるね。でも兎に角やれることを頑張ります」

クリス「応援してるし、期待してるよ!」